冬が終わり、段々と暖かくなってきて、キャンプや登山をするのにとても良い季節になってきました。そして、最近は暖かいというか少し暑いくらいですね。
ただ、暖かくなってくると気になるのは、『虫』の存在ですよね。私は虫が嫌いで、キャンプはどちらかというと冬の方が好きなほど虫が嫌いなのです。
ただ、一概に虫と言っても、刺したり噛んだりしない虫は大丈夫なんですが、苦手なのは刺したり噛んだりする『害虫』に分類される虫の方です。
今回は、これからのシーズンにキャンプ場や山に湧いてくる、害虫たちについて記事にしました。
記事の中では害虫の被害にあった時の対処方法や、被害にあう前に行う対策についてお話しますので、虫嫌いな方はぜひ最後まで読んで行って下さい。
なお、記事中には害虫の写真は載せていませんので、安心して読んでいただけます。
害虫の種類と被害について
一言で害虫と表現していますが、害虫と括られている虫は数多く存在しています。その中で、キャンプ中や登山中で遭遇しやすい、以下の虫たちをピックアップして紹介していきます。
- 蚊
- アブ
- ハチ
- 毛虫
- ムカデ
- ヤマビル
それでは、虫たちの活動時期や、被害にあった時の対処方法等について見ていきましょう。
蚊
蚊については細かい説明は不要でしょう。刺されたことがないという人はいないんじゃないでしょうか。
蚊は夏場だけでなく、4月頃から10月頃まで活動していて、人の出す二酸化炭素に引き寄せられ、人の毛細血管に針のような口を突き刺して血を吸います。
その際、蚊は唾液を出すのですが、この唾液に痛みを感じさせない麻酔作用や、血が固まるのを防ぐ作用等の成分が含まれています。
蚊に刺されると
蚊に刺されると、患部が猛烈に痒くなりぷくっと腫れ上がります。数時間たてば腫れが引きかゆみもなくなりますが、人によっては数日腫れたまま痒みがおさまらないという人もいます。
蚊に刺された際の対処方法
痒みを引き起こすのが蚊の唾液のため、患部を水で洗い流すと痒みが抑えられます。
また、患部を冷やすことで痒みを抑えたり、抗ヒスタミン剤(虫刺され薬やかゆみ止め薬)を塗布することでも痒みを抑えられることができます。
アブ
見た目はハエと似ているものが一般的に知られていますが、体に黄色の縞模様のあるハチに似たもの等、日本には100種類ほどのアブがいます。
アブの中でも人間を噛む種類として知られているのが、アカウシアブ、ウシアブ、イヨシロオビアブ等です。
アブは6~9月の暖かい時期に活動していて、雌の成虫のみが、産卵のための栄養分を摂取する目的で吸血しています。
アブに噛まれると
アブに噛まれると血がにじむようになり痛みを感じます。その後、時間が経つにつれて赤く腫れ、痒みも増す傾向にあります。
アブに噛まれた際の対処方法
アブに毒はありませんが、かじるときに流血を促す成分を入れられているので、血を止めるためにそれを絞り出しましょう。
ポイズンリムーバーを使うと、手で行うよりも効率的に絞りだせます。
アブに刺された傷口を搾った後は、患部を流水できれいに洗い、患部を冷やしておきましょう。患部には抗ヒスタミン剤を塗布しておくとかゆみを和らげてくれます。
ハチ
人を刺すハチとしてはミツバチ、アシナガバチ、スズメバチが代表的です。
ミツバチは危害を加えなければ刺してきませんが、アシナガバチ、スズメバチは時期により活動が活発になり攻撃的になるため、注意が必要です。
アシナガバチの活動が活発になるのは6~8月頃で、スズメバチは7~10月頃が活動が活発になります。もともと気象の洗い性質を持つハチですがより攻撃的になります。
ハチに刺されると
ハチに刺されると、まず激しい痛みが出現し赤く腫れます。
これはハチ毒の刺激作用によるもので、初めて刺された場合、通常は1日以内に症状は治まりますが、2回目以降はハチ毒に対するアレルギー反応が加わり、アナフィラキシーショックと呼ばれる症状を引き起こす可能性があります。
アナフィラキシーショックは、アレルギー反応によるもので、死亡する可能性もある危険な症状です。
ハチに刺された際の対処方法
ハチに刺された時には、毒針が残っていたら取り除きましょう。ハチ毒はポイズンリムーバーを使って絞りだします。
初めて刺されたのであれば、急いで医療機関を受診することはありませんが、30分間ほど静かに様子を見てみて下さい。
なお、過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがあるのであれば、できるだけ早く医療機関での受診をおススメします。
毛虫
ケムシはチョウやガの幼虫のうち、毛や棘が生えていて、特にガ類の幼虫で毛が多いものを指すことが多く、体の表面に毒のある毛(毒針毛)に触れると皮膚炎などを起こすことがあります。
害虫として知られる毛虫では、チャドクガが有名です。
チャドクガの背中の黒い部分には、肉眼では見えない0.1mmくらいの『毒針毛』という毛が30万本から50万本生えているのですが、この毛が毒を持っています。
この毛が風で抜けて飛びやすく、服にくっつき、気付かないうちに触れてしまい皮膚炎を起こします。
もっとも毛虫の活動が活発になり大量発生する時期が、6月から8月とされています。
毛虫に刺されると
チャドクガによる皮膚炎は刺された直後から発症しますが、風に飛ばされてきた毒針毛による被害では、遅れて気づくことも多いです。
昼間キャンプ場でさされて、夕方になってから腕がかゆいなと思ったら、腕が赤い発疹でいっぱいだったなんてこともあります。
かゆみは人により差がありますが、完治するまで2週間程度かかる傾向があります。
毛虫に刺された際の対処方法
毛虫に刺された際は、毒針毛を取り除くことが大事です。そのため、症状が出ている箇所を中心に、粘着テープで毒針毛を取り除きましょう。その後は流水で患部をきれいに洗い流して下さい。
患部をきれいにした後は、抗ヒスタミン剤を塗布することで、かゆみや腫れを抑えることが期待できます。
ムカデ
基本的にはムカデが突然噛みついてくることはありません。何らかの刺激を与えることで咬みつきます。
シュラフの中に潜んでいるムカデの存在に気づかず触れてしまったり、靴の中に隠れていたムカデを踏んでしまったりした場合等に噛みつかれます。
ムカデの活動時期は春から秋にかけて活発になり、5~6月は産卵期のため多く発生します。8月の猛暑時期は少し活動が控えめになりますが、9~10月頃になると子ムカデが大きく成長する時期で、活発に活動を行います。
ムカデに噛まれると
ムカデに咬まれると、咬まれた箇所に激痛が走り、赤く腫れ上がります。痛みは数時間ほどで治まりますが、咬まれた箇所にしびれやかゆみが生じる場合もあります。
まれに、発熱やめまいといった全身症状が出ることもあります。
ムカデに噛まれた際の対処方法
ムカデに咬まれたら、毒をポイズンリムーバーで吸い出し、患部を水でよく洗って下さい。
お湯で洗い流す方法がよく紹介されていますが、お湯を使うと血流が良くなり、体内に毒が回ってしまう可能性があるので、お湯よりも水で洗い流した方が良いでしょう。
患部を十分に洗い流したら、抗ヒスタミン剤を塗布してください。腫れがひかない場合は医療機関にて診察してもらって下さい。
ヤマビル
ヤマビルは陸に生息する吸血性ヒルで、一般には山地の森林に生息しています。そのため、ヤマビルは登山時や山林にあるキャンプ場を利用する時に気を付ける必要があります。
活動時期は4月~11月と長く、雨の日や、雨が降った次の日には活発に活動する特徴があります。そのため、梅雨の時期や秋雨の時期などは特に注意が必要です。
また、9月~10月にかけては産卵シーズンとなるため、紅葉時期の山歩きにも気を付なくてはなりません。
ヤマビルについては別の記事で詳しく書いていますので、こちらの記事をどうぞ。
ヤマビルに噛まれると
ヤマビルに噛まれると、ヒルジンという分泌液の影響で血はすぐには止まりません。そして、想像以上の血が出ますので、落ち着いて対処しましょう。知らないと結構焦ると思います。
ヤマビルに噛まれた際の対処方法
ヤマビルに噛まれていることに気付いた場合は、まずはヤマビルを肌から引き剥がします。
ただし、ヤマビルは噛みつくとなかなか引き剥がせません。無理やり引き剝がそうとすると体が引きちぎれ、口だけが残り化膿してしまう原因にもなります。
そのため、以下のような方法で引き剥がすようにして下さい。
- 塩水をかける
- タバコやライターの火を当てる
ヤマビルを引きはがすことができたら、傷口を流水で洗浄していきます。この時、ヒルジンを絞り出すイメージで傷口を絞りながら洗い流します。
しっかり洗うことで、その後のかゆみの軽減につながります。洗浄後には、抗ヒスタミン剤を塗るとかゆみが抑えられるので、備えておくと安心ですね。
害虫対策
害虫被害にあう前に事前に対策をしておきましょう。対策をしておくことで被害を受けるリスクをできるだけ小さくすることができます。
なお、害虫対策は、一種類で全ての害虫に効くものはありません。そのため、キャンプや登山をする際に遭遇する害虫を事前に調べて、対応する対策をすることをおススメします。
フマキラー 天使のスキンベープ
スプレー式で肌に直接散布して使用します。使用することにより害虫を寄せ付けません。お肌に優しいため、お子様にも安心して使用することができます。
一度スプレーすることで、虫よけ効果は6~8時間程あります。
適用害虫:蚊、マダニ、ブユ、アブ
ハチ・アブよせつけない線香
キャンプ時にサイト内で焚いておくことで、水やエサを求めて飛んでくるハチを寄せ付けません。1巻で効果は約6時間程持続します。
適用害虫:アシナガバチ、ミツバチ、アブ、ブユ、ユスリカ、チョウバエ、ガ、ウンカ、ヨコバイ
虫コロリアース スーパージェット
虫に直接スプレーすると撃退することもできますが、サイト周辺等で、虫が入って来そうな場所に事前にスプレーしておくと、虫の侵入を防ぐことができます。
対称害虫:ムカデ、ケムシ、クモ、ヤスデ、ダンゴムシ、クロアリ、アブ、チョウバエ、ブユ、アリガタバチ、ゲジゲジ、ハチ、ユスリカ、ガ、カマドウマ 等
おにやんま君
国内最大級のトンボのオニヤンマは非常に獰猛で空中を飛んでいる虫を食べることでも知られています。そのため、オニヤンマを模したものをつけていれば、虫が寄ってこなくなるとのことです。
口コミを見ていると、アブやブユが近寄ってこなかった、刺されることがなかった等の評価を見ることができます。
ツイッターでも見かけますが、オニヤンマ君を自作してサイトにつるしている方も沢山いらっしゃるみたいですね。
対象害虫:アブ、ハチ、ブユ 等 ※効果範囲は不明
ヤマビルファイター
ヤマビル用の忌避剤(近寄らせない薬剤)です。スプレータイプで持ち歩くのも便利です。
靴や衣類に吹きかけることでヤマビルへの忌避効果が役2~3週間持続し、雨や水に濡れても流されないため、忌避効果を持続します。
対象害虫:ヤマビル
キャンプや登山と楽しむために
私たちが活動しやすい時期は、虫たちにとっても活動しやすい時期です。そして、キャンプや登山に行くと、街中では見かけない虫にもいろいろと遭遇するようになります。
ただ、自然の中で遊ぶということは、そういった虫とも上手く距離を取っていかなければいけないのかなと私は考えています。
そのため、できるだけ被害に遭わないように事前に対策をしておくことと、被害に遭った時に正しく対処できる用意をしておくことが大事になってきます。
楽しいキャンプや登山の参考になれば幸いです。
それではキャンプと登山を楽しみましょう!!
コメント